マーケティングに携わっている人は「カスタマージャーニー」と聞いてすぐ思いつくと思います。しかし、意外と経営者や販売促進されている方でも知らない人は多いです。カスタマージャーニーは直訳すると、「顧客の旅」という意味。カスタマージャーニーを簡単に訳すと「顧客がどうやって製品を知り、どうやって購入まで至るかの道筋」のことを言います。カスタマージャーニーを書き出してみることで、どんな人にどんな施策を打つことで製品を知ってもらい、購入してもらうかの道筋が見えてきますので、説明していきます。
カスタマージャーニーってなに?
カスタマージャーニーは1998年ごろから使われていたフレームです。製品・サービスとの出会いから購入・契約、その後の継続利用に至るまでの消費者の体験すべてをカスタマーエクスペリエンス(CX)と言い、その設計の中で「カスタマージャーニーマッピング」は登場します。
サービスデザインのカスタマージャーニーマッピングアプローチは、1998年にOxfordSM(当時はOxford Corporate Consultantsと呼ばれていました)によって導入され、Eurostarが企業の使命とブランド提案を確立して実装するのを支援しました。OxfordSMは、このアプローチを広く使用し続けました。これには、英国政府も含めて、この手法に関するガイダンスが公開されました。
https://en.wikipedia.org/wiki/Customer_experience#Customer_journey_mapping
マーケティングの神様と呼ばれるフィリップ・コトラー氏の著書「マーケティング4.0」でも詳しく紹介されました。日本でもこのフレームワークが流行したのはマーケティング4.0発売以降ではないでしょうか。
なぜ必要なの?
顧客が購買行動・感情のフェーズに合わせてどんなアプローチを行うべきかを考えるためにカスタマージャーニーを活用します。また、現在行っているマーケティング施策や商品企画の目的を整理して見直すためにも使えます。つまり、顧客の購買行動・感情のフェーズに合わせて、最適な施策を検討するために使えるフレームワークなのです。
例えば、サービスを知らない潜在顧客向けにはSEO・SNS・ディスプレイ広告・オフラインイベントなどで接点を持つ施策が考えられます。次の良い物があったら考えようかな~というライトな準顕在層にはディスプレイ広告、SNS、ホワイトペーパーなどコンテンツの充実など。買いたいけど他社と比較に入っているような顕在層にはリスティング広告、試供品や来場時の特典などが考えられます。
このように顧客のフェーズによって実施することが変わってきます。カスタマージャーニーで顧客のフェーズを可視化して、やるべきことの可視化をしたり、チームで意識を合わせて活動するためにも使えます。 また、カスタマージャーニーは完璧でないことも念頭に入れてください。描いてみたカスタマージャーニーを実施してみて、実際に行動してみて自分たちの想定の漏れやズレを発見し、調整していくことが最も大事になります。
カスタマージャーニーの作り方
カスタマージャーニーはこのような構成で作ります。
横軸は「フェーズ(プロセス)」
横軸には製品・サービスとの出会いから購入・契約、そして優良顧客化するまでの「フェーズ」が設定されます。AIDA※1やAIDMA※2、AISAS※3などのフレームがありますが、そのまま使っても、自分たちのフェーズを定義しても構いません。筆者は毎回そのサービスに合ったフェーズを設定しています。
縦軸は「自由」
自由に決めていただいて構いません。顧客を理解するのに必要なものを設定しましょう。「行動」「感情・心理」「タッチポイント」「課題」「解決策」などがよくレイアウトされるアイテムです
カスタマージャーニーを設計する前に、必ず「顧客像(ペルソナ)」を作ります。ペルソナが3人いたら、カスタマージャーニーも3つ設計することが必要です。
カスタマージャーニーの作り方
カスタマージャーニーマップを作る際はペルソナ設定から始めます。ここでは簡単な手順だけ説明します。
1.ペルソナ設定
2.フェーズ定義
3.ペルソナの行動・心理の書き込み
4.対応施策(接触コンテンツやメディアなど)の書き込み
5.不足施策の把握とTODOリストの作成
おおむねこの手順で進めます。カスタマージャーニーマップは作って終わりではなく、追加した施策を書き込んだり、顧客の心理が変わったら編集したりして常に「最新版」を維持していくものになります。 (3)~(5)は繰り返し検討していきましょう。
まとめ
カスタマージャーニーをコンテンツマーケティング施策を進める上でよく利用しています。コンテンツマーケティングとカスタマージャーニーは相性が良いのです。コンテンツマーケティングは購入・契約の決断に至るまで検討事項が多く、時間を要するサービスでの施策によく導入されてます。検討期間が長いサービスほど、細かい施策の目的を見失いやすいので、カスタマージャーニーを描くことが重要になってくるのです。 一歩引いて見てみると、社内全体のマーケティング施策がバラバラに機能している感覚はありませんか? そのような時はぜひ、メンバーのみんなでカスタマージャーニーマップを作って共有してみましょう。同じ顧客を想定しているメンバーなのに意外とイメージしているユーザー像が違うなど、大きな気づきが得られるはずです。
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